抽選償還
×1年4月1日に社債30,000円を29,160円、年利率2.4%、利払日3月末日の条件で発行した。
なお、毎年3月末日に7,500円ずつ抽選償還するが、1年据え置いて2年目から償還を始める。
償却原価法(定額法)を採用しており、償却額は借入資金の利用高に応じて計算する。
×1年3月31日~×5年3月31日のそれぞれの償還時、利払日及び決算整理仕訳を行いなさい。
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(×1年3月31日)
利払い日;
社債利息 720 / 現金 720
決算整理
社債利息 240 / 社債 240
社債 7,440 / 一年内償還社債 7,440
(×2年3月31日)
利払い日;
社債利息 720 / 現金 720
決算整理
社債利息 240 / 社債 240
一年内償還社債 7,500 / 現金 7,500
社債 7,440 / 一年内償還社債 7,440
(×3年3月31日)
利払い日;
社債利息 720 / 現金 720
決算整理
社債利息 180 / 社債 180
一年内償還社債 7,500 / 現金 7,500
社債 7,440 / 一年内償還社債 7,440
(×4年3月31日)
利払い日;
社債利息 540 / 現金 540
決算整理
社債利息 120 / 社債 120
一年内償還社債 7,500 / 現金 7,500
社債 7,440 / 一年内償還社債 7,440
(×5年3月31日)
利払い日;
社債利息 360 / 現金 360
決算整理
社債利息 60 / 社債 60
一年内償還社債 7,500 / 現金 7,500
社債 7,440 / 一年内償還社債 7,440
(×6年3月31日)
利払い日;
社債利息 180 / 現金 180
社債の臨時買入償還
×1年4月1日に社債額面40,000円(償還期限5年、年利率4%、利払日3月末日)を額面100円につき95円で発行した。
なお、償却原価法(定額法)を採用している。
次の仕訳をそれぞれ行いなさい。
①×2年3月31日時点
②×3年9月30日に額面10,000円について9,850円(裸相場)で当座により臨時買い入れした。
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①社債利息 2,000 / 現金 1,600
社債 400
②社債 9,750 / 現金 10,500
社債償還損 100
社債利息 200
※社債償還額=400/年
⇒38,000+400×2.5=39,000
社債40,000円のうち、10,000円分を買い入れるわけだから、買い入れる社債の評価額は
⇒39,000×10,000/40,000=9,750
さらに裸相場なので社債利息の支払いも必要
⇒10,000×4%×0.5(年分)=200
賞与引当金
それぞれ仕訳を行いなさい。
①×1年3月31日:×2年6月10日に支払う賞与240,000(支給対象期間:12/1~5/31)の賞与引当金を計上。
②×2年6月10日:賞与を支給。
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①賞与引当金繰入額 160,000 / 賞与引当金 160,000
※計上は支給対象期間に基づいて算定。12/1~3/31は4か月分。
⇒240,000×4/6=160,000
②賞与引当金 160,000 / 現金 240,000
賞与 80,000
【解説】
賞与そのものは費用勘定。
ただし、一定期間の業務に応じて定期的に支払われることから、決算日において合理的に引当金を見積もることが可能。
返品調整引当金
それぞれ仕訳しなさい。
①返品調整引当金10,000円を設定する。
②売上戻りが35,000円を行い、売掛金を減額した。なお当該売上戻りのうち、前期の売上にかかるものは15,000円(原価は10,500円)である。
③洗替法により返品調整引当金を5,000円設定する。
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①返品調整引当金繰入額 10,000 / 返品調整引当金 10,000
②返品調整引当金 4,500 / 売掛金 15,000
仕入 10,500
売上 20,000 / 売掛金 20,000
③返品調整引当金 5,500 / 返品調整引当金戻入益 5,500
返品調整引当金繰入額 5,000 / 返品調整引当金 5,000
売上割戻引当金
それぞれ仕訳しなさい。
①売上割戻引当金10,000円を設定する。なお、当期売上は1,000,000円であった。
②売上割戻12,000円を行い、売掛金を減額した。なお当該割戻のうち、前期の売上にかかるものは8,000円である。
③売上割戻引当金残額を戻し入れ、新たに売上割戻引当金を10,000円設定する。
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①売上割戻引当金繰入額 10,000 / 売上割戻引当金 10,000
売上 10,000 / 売上割戻引当金繰入額 10,000
※売上割戻引当金繰入額(費用)は売上控除としての性質があるので売上から差し引く。
②売上割戻引当金 8,000 / 売掛金 12,000
売上 4,000
③売上割戻引当金 2,000 / 売上割戻引当金戻入益 2,000
売上割戻引当金戻入益 2,000 / 売上 2,000
売上割戻引当金繰入額 10,000 / 売上割戻引当金 10,000
売上 10,000 / 売上割戻引当金繰入額 10,000
【解説】
売上割戻とはリベートのこと。例えば1,000,000円以上購入してくれれば1,000円値引きするといったもの。
値引きという形は取っているが実質は売上控除である。(1,000,000の売上が実現して初めて1,000の値引きが生じるため。)
当期の売上に応じて、時期の売上割戻は合理的に算出できることから、引当金計上は可能である。
その性質は費用ではなく、売上控除であることから、引当金繰入(または戻入)の際には売上の控除(加算)を行う。