ソフトウェア償却③
市場販売目的のソフトウェアを制作し、無形固定資産としてソフトウェア600,000円を計上した。
当該ソフトウェアの見込有効期間を3年として、次の(当初)見込販売数量、見込販売単価、見込販売収益の際に、
「見込販売数量基準」で減価償却を行いなさい。
なお、×1年度の実績販売数量、実績販売単価、実績販売収益は見込みどおり、
×2年度は実績販売数量2,800、実績販売単価150、実績販売収益420,000であったため、見込販売数量、見込販売単価、見込販売収益を変更した。
×3年度は見込みどおり計上され、ソフトウェアの有効期間にも変更はなかった。
また、計算過程で端数が生じた際は円未満を四捨五入すること
(当初)
見込販売数量 見込販売単価 見込販売収益
×1年 2,000 170 340,000
×2年 3,000 150 450,000
×3年 2,000 100 200,000
(変更)
見込販売数量 見込販売単価 見込販売収益
×3年 1,600 85 136,000
-------------------------------------------------------------------
×1年 ソフトウェア減価償却費 200,000 / ソフトウェア 220,000
×2年 ソフトウェア減価償却費 264,000 / ソフトウェア 264,000
×3年 ソフトウェア減価償却費 136,000 / ソフトウェア 136,000
※見込販売収益<残存価額となるような償却が行われようとするとき、翌期に残存価額を償却しきれなくなってしまうので、超過額を一時費用(損失)として併せて償却する。
×1年(残存価額600,000)
販売実績に基づく見込販売数量基準
⇒当初の見込販売数量に対する実績を考慮した償却
⇒600,000×2,000/7,000≒171,429
見込販売数量基準171,429 < 定額法200,000 ⇒200,000を採用
×2年(残存価額400,000)
⇒400,000×2,800/5,000=224,000
見込販売数量基準224,000 > 定額法200,000 ⇒224,000を採用
⇒(翌期)残存価額176,000>見込販売収益136,000であることから、差額の40,000を費用計上
⇒224,000+40,000=264,000
×3年(残存価額136,000)
⇒償却最終年なので残存価額をそのまま償却
ソフトウェア償却②
市場販売目的のソフトウェアを制作し、無形固定資産としてソフトウェア600,000円を計上した。
当該ソフトウェアの見込有効期間を3年として、次の(当初)見込販売数量、見込販売単価、見込販売収益の際に、「見込販売数量基準」で減価償却を行いなさい。
なお、×1年度の実績販売数量1,750、実績販売単価165、実績販売収益288,750であり、見込販売数量、見込販売単価、見込販売収益を変更した。
×2年度、×3年度は見込みどおり計上され、ソフトウェアの有効期間にも変更はなかった。
また、計算過程で端数が生じた際は円未満を四捨五入すること
(当初)
見込販売数量 見込販売単価 見込販売収益
×1年 2,000 170 340,000
×2年 3,000 150 450,000
×3年 2,000 100 200,000
(変更)
見込販売数量 見込販売単価 見込販売収益
×2年 2,700 140 378,000
×3年 1,800 100 180,000
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×1年 ソフトウェア減価償却費 200,000 / ソフトウェア 220,000
×2年 ソフトウェア減価償却費 240,000 / ソフトウェア 240,000
×3年 ソフトウェア減価償却費 160,000 / ソフトウェア 160,000
※「各基準に基づく按分配分」は実績が見込みどおりとならなかったとき、
償却の按分配分を実績に合わせる必要が生じる。
×1年(残存価額600,000)
販売実績に基づく見込販売数量基準
⇒当初の見込販売数量に対する実績を考慮した償却
⇒600,000×1,750/7,000=150,000
見込販売数量基準150,000 < 定額法200,000 ⇒200,000を採用
×2年(残存価額400,000)
⇒400,000×2,700/4,500=240,000
見込販売数量基準240,000 > 定額法200,000 ⇒240,000を採用
×3年(残存価額160,000)
⇒償却最終年なので残存価額をそのまま償却
ソフトウェア償却①
市場販売目的のソフトウェアを制作し、無形固定資産としてソフトウェア600,000円を計上した。
当該ソフトウェアの見込有効期間を3年として、次の見込販売数量、見込販売単価、見込販売収益の際に、
①見込販売数量基準
②見込販売収益基準でそれぞれ減価償却を行いなさい。
なお、各年度の販売収益は見込みどおり計上され、ソフトウェアの有効期間にも変更はなかった。
また、計算過程で端数が生じた際は円未満を四捨五入すること
見込販売数量 見込販売単価 見込販売収益
×1年 2,200 200 440,000
×2年 1,400 150 210,000
×3年 2,400 100 240,000
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①見込販売数量基準
×1年 ソフトウェア減価償却費 220,000 / ソフトウェア 220,000
×2年 ソフトウェア減価償却費 190,000 / ソフトウェア 190,000
×3年 ソフトウェア減価償却費 190,000 / ソフトウェア 190,000
②見込販売収益基準
×1年 ソフトウェア減価償却費 296,629 / ソフトウェア 296,629
×2年 ソフトウェア減価償却費 151,686 / ソフトウェア 151,686
×3年 ソフトウェア減価償却費 151,685 / ソフトウェア 151,685
※販売目的ソフトウェアの減価償却は、原則として3年以内に行い、
「各基準に基づく按分配分」と「定額法」のいずれか大きな方を採用する。
①
×1年(残存価額600,000)
見込販売数量基準220,000 > 定額法200,000 ⇒220,000を採用
×2年(残存価額380,000)
見込販売数量基準140,000 < 定額法190,000 ⇒190,000を採用
×3年(残存価額190,000)
⇒償却最終年なので残存価額をそのまま償却
②
×1年(残存価額600,000)
見込販売収益基準296,629 > 定額法200,000 ⇒296,629を採用
×2年(残存価額303,371)
見込販売収益基準141,573 < 定額法151,686 ⇒151,686を採用
×3年(残存価額151,685)
⇒償却最終年なので残存価額をそのまま償却
ソフトウェア制作
次の[資料]から、ゲームソフト『bokimon-GO』が販売までにかかった費用および貸借対照表上に計上されるソフトウェアの額を全て答えなさい。
なお、経費には材料費や人件費等、制作にかかるすべての費用が計上されているものとする。
[資料]
①1月3日:製作開始
②3月3日:製品マスター(ver.1.0)の完成(これまでにかかった経費総額は7,000円)
③3月12日:動作が遅かったため、データを整理し操作性を高めた(経費5,000円)
④5月22日:新ステージを追加開発し、製品マスター(ver.2.0)の完成(経費3,000円)
⑤6月10日:デバックし、バグを取り除いた(経費1,000円)
⑥6月30日:ゲームボーイソフト『bokimon-GO』を100枚製作した(経費900円)
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ソフトウェア:5,000円(③)
研究開発費:10,000円(②+④)
維持費:1,000円(⑤)
製造原価:900円(⑥)
【解説】
研究開発費とは、現時点において商品にならないものである。つまり、ゴミになる可能性があるため、資産ではなく費用として扱う。
対して、ソフトウェア製品は商品としての資産性を有しているので、マスターアップ後にかかる制作費は原則としてソフトウェア(資産)になる。ただし、「著しい改良」については製品に反映されるか不透明な状態なので、ソフトウェアではなく研究開発費として扱う。
なお、バグ取り等、ソフトウェア製品の機能維持にかかる費用は修繕費となる。
製品としての最終マスターアップ後は、ソフトウェアを物理的に制作するための製造原価や販売費等が経費としてかかる。
研究開発費
機械(取得原価20,000円)を期首に取得した。この機械は当面の間、研究開発目的にのみ使用するが、汎用性があるため他の目的に使用することができる。機械の耐用年数は4年であり減価償却は定額法、残存価額なしで行うこと。
期末に減価償却費を計上し、仕訳を行いなさい。
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(取得時)
機械 20,000 / 現金 20,000
(期末)
機械減価償却費 5,000 / 機械減価償却累計額 5,000
研究開発費 5,000 / 機械減価償却費 5,000
※研究開発のみにしか使用できない機械であれば、すべて研究開発費となるが、研究開発以外にも使用できる機械であれば、資産計上し、減価償却を行い、当該減価償却費を研究開発費として処理する。
研究開発以外にも使用できることから、機械そのものには資産性が認められるが、その資産性には研究開発費的な要素も多分に含まれていることから、減価償却費を研究開発費として処理するという発想が興味深いところではある。
のれんの減損損失(容認)
のれんの帳簿価額を各資産グループに配分しており、配分比率はA:B:C=2:3:5であった。
配分後の資産グループB、Cに減損の兆候が見られる。
減損損失にかかる仕訳をせよ。
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減損損失 390 / 資産グループC290
のれん100
※のれんを配分された単位において減損が発生したら、当該単位において、のれんを優先的に減損損失させる。(例えば資産グループAやBの「のれん」の損失処理は優先しない)
①のれんの配分を行う
⇒資産グループA:210+40
⇒資産グループB:300+60
⇒資産グループC:420+100
②減損認識
⇒資産グループB配分後帳簿価額360 < 配分後割引前将来CF390
⇒減損損失処理は不要
⇒資産グループC配分後帳簿価額520 >配分後割引前将来CF160
⇒減損損失の算定
⇒帳簿価額520-回収可能価額130=390
⇒資産グループCの「のれん」から優先に減損損失する
のれんの減損損失(原則)
資産グループB、C、のれんを含むより大きな単位に減損の兆候が見られる。
減損損失の配分は帳簿価額に比例配分、なお、減損損失配分後の各資産グループの帳簿価額は回収可能価額を下回らないようにすること。
減損損失にかかる仕訳をせよ。
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減損損失 6,220 / 資産グループC 3,200
のれん 2,000
資産グループA 420
資産グループB 600
①各資産グループの減損認識
⇒資産グループB:帳簿価額3,000 < 割引前CF3,700
⇒減損損失の処理は不要
⇒資産グループC:帳簿価額4,200 > 割引前CF1,200
⇒減損損失の算定
⇒帳簿価額4,200-回収可能額1,000=3,200
②資産グループ全体の減損認識
⇒帳簿価額11,300 > 割引前CF7,500
⇒減損損失の算定
⇒帳簿価額11,300-回収可能価額5,080=6,220
③減損損失の配分
⇒資産グループCの減損損失3,200 ※残り3,020
⇒のれんの減損損失2,000 ※優先配分、全損、残り1,020
⇒資産グループAの減損損失420 ※1,020×210/510
⇒資産グループBの減損損失600 ※1,020×300/510
【参考】
のれんは基本的に資産性のないもの(実態がないという意味において)なので、減損損失の際は優先的に配分される。
ただし、減損損失を配分されるのは資産グループA、B、Cの所属する部署に配分された分ののれんであって、別の部署に配分されている部分ののれんまで配分は及ばない。(減損損失の生じた単位内で配分を完結させる)